2010年01月15日

ネフローゼ症候群とたんぱく尿

急性腎不全(きゅうせいじんふぜん)や慢性腎炎(まんせいじんえん)と並び、代表的な腎臓病のひとつに、ネフローゼ症候群があります。たんぱく質が大量に出て(1日に3.5グラム以上)、尿中に排出されることから、体内におけるタンパク質が不足して、顔面や足に強いむくみが出る病気です。

ネフローゼ症候群では、たんぱく尿(尿中に漏出した血清たんぱく)が、多量にみられます。
健康な人でもごく微量のタンパク質が尿中に検出されます・・・1日50グラム以下です。また、とくに病気ではなくても、マラソンなどの過激な運動をした後に生じるもの(運動性たんぱく尿)や、起立したときに生じるものの、寝ると消えるもの(起立性たんぱく尿)、また新生児たんぱく尿などがあります。これらを「生理的たんぱく尿」と言います。
しかし常時、しかも多量のタンパク質が尿中に排泄されることはありません。
多量のタンパク質が尿中に排泄されるのは、やはり何か腎臓に病気があるということなのです。

ネフローゼ症候群の症状は、1.たんぱく尿、2.浮腫(ふしゅ)・・・むくみのこと、3.高脂血症(こうしけっしょう)が主なものです。特にたんぱく尿は、ネフローゼ症候群の診断の決め手になります。
まずは、尿たんぱくが、1日3.5グラム以上出ているかどうかで判断されます。その後、さらに血清検査や腎生検(じんせいけん)によって詳しく診断を行います。
・参照:腎生検査とは、腎臓を針で穿刺(せんし)して組織を調べる方法。



Posted by エイタ at 11:53

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