2010年01月15日

透析療法

慢性腎不全(まんせいじんふぜん)になると、腎臓の機能は健康な人の半分以下に低下してしまいます。そしてさらに症状が進むと、尿毒症症状が出現します。
尿毒症(にょうどくしょう)というのは、腎臓の機能が極度に低下し、体内に毒素がたまって全身臓器の症状をあらわすようになった状態をいいます。これは腎臓がもつ、排泄、代謝、分泌の3つの大きな機能のうち、排泄機能が障害されたことによります。
以前は、尿毒症になってしまうと、もはや生命の維持が危ぶまれましたが、最近では、透析療法(とうせきりょうほう)が進歩したおかげで、生存率の高まりだけでなく、社会復帰も可能になりつつあります。

人工透析の実施は、週に2〜3回が普通です。ただし、透析療法というのは、あくまでも腎臓の機能を人工的に代行するものであり、腎機能を回復させるものではありません。透析療法を続け、腎臓病の十分な管理を続けていけば、健康な人とほとんど変わらずに仕事などができます。ただし、半永久的に透析を続けていかなければなりません。
尿毒症になってしまってから人工透析(じんこうとうせき)を始めるのではなく、尿毒症症状が出現する前に透析を開始したほうが、その後の経過が良いとされます。

透析の開始は、一般に、血清クレアチニンが1デシリットル中1ミリグラムを超えた時点を目安にして透析導入期とします。ただし、症状によって、たとえば、糖尿病性腎症(とうにょうびょうせいじんしょう)や高齢者の場合、もっと早めに開始したほうがいい場合もあります。



Posted by エイタ at 11:53

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